就職・転職経験者の約57%が求人情報を見て「合わないな」と感じた経験あり。見極めのポイントとは?
2~3月ほどではないものの、夏前後も採用・転職活動が動く時期です。企業も転職者も互いに自身をよく見せようとすることが多いのは、今も昔も変わりません。
「株式会社NEXER」が総合人材会社の株式会社プレイス&アビリティと共同で実施した「就職・転職活動における企業の第一印象調査」によると、企業の採用広告・求人情報を見て「この会社は合わないな」と感じた経験が「ある」と回答した人は、約57%にのぼることがわかりました。
3割が、企業に魅力を感じた最初のきっかけは「求人票」と回答
事前調査で「就職や転職を経験したことがある」と回答した全国の男女500名を対象に、2026年5月8日~13日に実施された調査です。
まず、企業に「魅力を感じた」最初のきっかけを聞いたところ、最も多かったのは「求人票」で30.4%。次いで「その他」22.6%、「知人の紹介」14.6%、「採用広告」12.0%という結果でした。求人票は求職者が企業と最初に接点を持つ重要な情報源であり、文章のわかりやすさや条件の具体性が企業の印象を大きく左右していると考えられます。
続いて、応募を決める前に企業の何を調べているかを聞くと、「仕事内容」(64.6%)と「給与・待遇」(62.6%)が突出して高く、「社風・職場環境」(27.4%)、「福利厚生」(24.6%)と続きました。
「合わないな」と感じたきっかけは、条件よりも“言葉づかい”
「企業の採用広告・求人情報を見て『この会社は合わないな』と感じた経験があるか」を聞いたところ、「ある」と回答した人は57.2%、「ない」は42.8%。半数以上の人が、求人情報にわずかな違和感を覚えた経験を持っていることがわかります。
具体的に気になった点としては、以下のような声が挙がりました。
▽業務内容の範囲が広すぎるのに給料が低く、社内旅行やイベントの実施を前面に出している点(30代、女性)
▽あまりにも良いことばかり書かれていること(30代、女性)
▽「アットホーム」「皆で助け合い」というフレーズ(30代、女性)
▽業務内容が曖昧に書かれており、具体的なイメージが湧かなかったこと(40代、男性)
▽少し高圧的な広告のトーン(20代、男性)
「アットホーム」「皆で助け合い」など、企業側は前向きな意味で使っている言葉でも、求職者にとっては不安や警戒につながることがあるようです。同社は、条件面の悪さよりも情報を盛りすぎた「言葉の選び方」がかえって不信感を招くケースが目立つと分析しています。
3人に1人が、入社後に「ギャップ」を経験
最後に、求人情報と実際の職場環境に「ギャップを感じた」経験があるかを聞いたところ、「ある」が37.2%、「ない」が62.8%。およそ3人に1人が、入社後に求人情報との違いを感じていました。
▽「未経験者大歓迎」と書かれていたが、実際は専門職で経験や知識が求められた(30代、男性)
▽時間外労働があったのに手当がもらえなかった(40代、女性)
▽引き継ぎ資料もマニュアルもないまま、入社直後に整備を任された(40代、女性)
▽働く雰囲気・人が良くなかった(30代、女性)
▽労働環境が悪すぎた(30代、男性)
「未経験者歓迎」「初心者歓迎」といった表現と、実際に求められる業務レベルとのギャップを指摘する声が目立ちました。労働時間や残業代の有無など、条件面での相違を挙げる人も少なくありません。
個人の見解として
求人票にせよ採用広告にせよ、企業が「自社をよく見せよう」とする気持ち自体は自然なことだと思います。ただ、今回のデータを見ても、条件そのものより「曖昧な言葉」「盛りすぎた表現」の方が求職者の不信感につながりやすいことがうかがえます。
「アットホーム」「ノルマなし」「未経験大歓迎」といった定番フレーズは、具体的な裏付け(実際の残業時間、教育体制の有無、昇給実績など)とセットで初めて意味を持ちます。逆に言えば、求人票の中でその裏付けがどこまで書かれているかを見るだけでも、入社後の「こんなはずでは」をかなり減らせそうです。
情報源をひとつに絞らず、口コミサイトや第三者機関の企業情報も組み合わせて確認する姿勢は、2022年の調査でも今回の調査でも変わらず有効なようですね。
出典:株式会社NEXER・株式会社プレイス&アビリティ「就職・転職活動における企業の第一印象調査」(2026年6月5日発表、調査期間2026年5月8日~13日、有効回答500サンプル)